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元ホスト経営者が語る「スタンスとは」人生のバットを振り続ける理由

  • 2月16日
  • 読了時間: 7分

更新日:2月18日




今回対談するのは、亀岡さん。

一見すると強面で、オーラを放つ彼ですが、話始めると驚くほど論理的で、そして優しい方でした。


元プロボクサーである私、長野が、彼の「スタンス」という武器と、壮絶な失敗から這い上がった物語に迫りました。



バンド、ホスト、そして友人との起業


【長野】 今日はよろしくお願いします。僕はこのメディアを通じて、今の若い人たちや、ちょっとしたことで諦めてしまう人たちにメッセージを届けたいんです。亀岡さんのような経験豊富な方に話を聞けるのは、すごい意味があることだと思っています。


【亀岡】 あっ、もうインタビュー始まってます?


【長野】 もう始まってます(笑)。形式ばったインタビューは嫌いなんで、普通の会話の中で亀岡さんの本音を深掘りしていきたいなと。まずは子供の頃の話から聞かせてもらえますか?


【亀岡】 子供の頃か…中学校は野球をしてたんですけど、そんなに熱も入ってなかったですね。高校からはバンドですよ。GLAYとかL'Arc〜en〜Cielとかが流行ってた世代なんで。

ギターやってました。


【長野】 まさに同世代ですね!プロを目指してたんですか?


【亀岡】 先輩が事務所作ってやってたんで、熱は入れてましたよ。それぞれのバンドが2、30人くらい呼んでたら結構な数になってたりして。


高校卒業後は、ライブハウスの音響とか照明とか、裏方の仕事に就こうと思って大阪の専門学校に行ったんです。でも、下積み期間が10年とか長いのが嫌でね。「じゃあ金稼ぐか」ってなって、水商売に入りました。ホストですね。


【長野】 そこからホストへ。何年くらいやられたんですか?


【亀岡】 4、5年くらいですね。元々キャバクラのボーイをしてて、女の子たちに「ホストやったら?」みたいに言われて。


お酒飲みながらお金もらえるなんてめっちゃ楽やん、と思って始めたんですけど(笑)。


【長野】 実際、人気はあったんですか?今の亀岡さんの目力を見てると、当時からオーラがあったんじゃないかなと思うんですが。


【亀岡】 いやいや、もう20年前の話ですから(笑)。でも関西で一番の店で1位にはなりましたね。プレイヤーとしてやりきったんで、次は店を出そうと思って。 気の合う地元の友達3人で起業したんです。僕が全部お金を出して、何をやるか話し合った結果、焼肉屋を始めました。


【長野】 アスリートのセカンドキャリアでも飲食店をやる人は多いんですが、知識がなくて潰してしまうケースも多いんです。亀岡さんは勉強されてたんですか?


【亀岡】 いや、気合と根性だけです。

気の合う奴らと商売したら楽しいだろうと思ってたんですけど、すぐに「ズレ」に気づきましたね。


【長野】 わかります。友達としては最高でも、ビジネスパートナーとして同じ熱量で走るのは難しいですよね。どうやって乗り越えたんですか?


【亀岡】 ビジョンを示すことですね。うちの会社はこうだ。こんな方向性でやっていく。それを明確に言い切ること。実際に言ったことをその通りやる。その筋を通すことで、ついてきてもらった感じです。



才能よりも大切な「スタンス」の話


【長野】 その教育方針というか、人の育て方は今も変わらないんですか?どうしても経営者って、エゴや感情で怒ってしまうこともあると思うんですが。


【亀岡】 基本は変わらないですね。僕は人をピラミッドで考えてるんです。

下段が「ポテンシャル(身体能力や容姿)」、中段が「スタンス(姿勢)」、上段が「スキル(技術)」


ポテンシャルはどうしようもない部分も多い。でも、中段の「スタンス」は誰にでもできることなんです。


【長野】 スタンス、ですか。


【亀岡】 挨拶をする、時間を守る、ゴミを拾う。僕はそこの「スタンス」の部分でしか注意しないですよ。ホスト時代もそうでしたけど、顔がいいからって売れるわけじゃない。スタンスがないと次につながらないんです。


【長野】 あぁ……それはボクシングの世界も全く同じです。

今のボクサーって寿命が伸びてるんですけど、あれも絶対にスタンスのおかげなんですよ。 勝ったからといってドカ食いせず、自律できるか。昔と違って30代後半でも活躍できる選手がいるのは、そこができているからだと思います。


【亀岡】 絶対スタンスですよね。凡事徹底ができているかどうか。

僕は飲食店でも、若いアルバイトの子には「挨拶」「時間厳守」「ゴミ拾い」、この3つができれば人間として形成できると教えてます。一過性で売れるやつと、長く続くやつの違いはそこですよ。


【長野】 めちゃくちゃわかります。


【亀岡】 あと、若い子に言いたいのは「バットを振れ」ってことですね。

イチロー選手の話が好きで、彼は「3割成功してるように見えるけど、7割は失敗(凡打)してる」と言っていた。失敗と向き合って、それでもバットを振り続ける。


今の若い子は情報過多で、行動しなくてもわかった気になって、見逃し三振をしてる気がします。


【長野】 「見逃し三振が多い」これは名言ですね。失敗を恐れて動かないよりも、振って三振してこいと。


【亀岡】 振ってないやつはダサいですよ。悔しがってるやつの方がかっこいい。

まあ、この話を女性に野球例えで話してもあまり理解してもらえないんですけどね(笑)。



1億円の失敗と、朝4時の再起


【長野】 亀岡さんは順風満帆に見えますけど、今までで一番大きな失敗って何ですか?


【亀岡】 システム開発で1億円なくなったことですかね(笑)。


【長野】 えっ、1億ですか!?


【亀岡】 飲食店の経営管理システムを作ったんです。既存のツールはバラバラで使いにくいから、全部まるっと自分で作ってしまおうと。それに投資して、まだ回収できてないんで、「まあ、しんどいな」くらいですね。


【長野】 1億で「まあ、しんどいな」で済ませられるメンタルがすごいです。


【亀岡】 もっと精神的にしんどかったのは、7、8年前に会社を潰しかけた時ですね。

当時4店舗あって、僕が現場を離れて経営者の集まりとかにのめり込んで、店を「丸投げ」にしてたんです。そしたら2年くらいで売り上げが半分に下がって。


【長野】 半分……それは恐怖ですね。


【亀岡】 漫画の『キングダム』で、6ヶ国から一斉に攻め込まれるシーンがあるじゃないですか。あんな感じですよ。「マジマジマジ!?」みたいな(笑)。死ぬかと思いました。


【長野】 まさに絶体絶命のピンチ。そこからどうやって立て直したんですか?


【亀岡】 とにかく動くしかなかったですね。ボーッとしてる暇なんてない。そこから勉強し直しました。「任せる」と「丸投げ」は違うんだと痛感しましたね。


【長野】 動かないと死ぬ。リングの上と同じですね。



最後に、今キャリアに悩んでいる人や、これから挑戦したい人に向けてアドバイスをお願いできますか?


【亀岡】 「早起きしろ」ですね。


【長野】 シンプルですね!


【亀岡】 だいたい夜寝るのが遅いんですよ、悩んでるやつは。

夜に考える1時間と、朝に考える1時間では思考の質が全然違います。

僕は朝4時に起きて、5時には出社してます。夜は考え込まずにさっさと寝て、朝に活動する。これだけで変わりますよ。


あと、日記をつけること。感情をアウトプットして、脳内のループを止めるんです。


【長野】 朝4時起きに日記……。強面な外見とのギャップがすごすぎます。でも、だからこそ説得力がありますね。


今日は本当にありがとうございました。間違いなく、読者の背中を押す記事になると思います。


【亀岡】 ほんまですか(笑)。ありがとうございました。



編集後記


「1億円の損失」を笑って話す胆力にも驚かされたが、何より心に残ったのは「スタンス」の話だ。ボクシングでも、才能だけで勝ち上がれるのは最初の数戦だけだ。チャンピオンになり、防衛を続ける人間は、例外なく「地味な練習」や「節制」というスタンスを守り抜いている。

亀岡さんの言葉は、経営者としての成功法則であると同時に、人間としての「在り方」を問うものだった。


バットを振れ。早起きをしろ。挨拶をしろ。

誰にでもできることを、誰よりもやり抜く。その先にしか見えない景色があることを、亀岡さんは教えてくれた。もし、この記事を読んでいるあなたが今、暗闇の中で立ち止まっているなら、まずは明日の朝、いつもより早く起きてみてほしい。それだけで、人生の反撃は始まっているのだから。



【Guest Profile】

亀岡 佑祐(かめおか ゆうすけ) 株式会社デイドリーム 代表取締役

元バンドマン、元ホストという異色の経歴を持つ経営者。関西No.1ホストを経て、飲食店を開業。現在は飲食事業に加え、独自の経営管理システム開発など多角的に事業を展開。「正直者が馬鹿を見ない世の中」を目指し、現場主義の経営を貫いている。


【interviewer】

長野 憲次 元プロボクサー/株式会社アスリート式 代表取締役 「戦う経営者図鑑」編集長。リングという極限の場所で培った精神力をビジネスに転換し、現在は経営者へのインタビューやブランディング支援を行う。


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