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「過去の栄光は捨てろ、プライドは持て」経営者が語る、アスリートと若者が社会で勝つための“丁稚(でっち)精神”とは

  • nagano
  • 1月17日
  • 読了時間: 5分


はじめに

こんにちは、元プロボクサーの長野憲次です。


「アスリートのセカンドキャリア」や「若者のキャリア形成」。 このテーマについて、今回は株式会社リズカンパニー 代表取締役の渡邉貴也さんにお話を伺いました。


渡邉さんは経営者の視点から、アスリートが持つポテンシャルと、逆に陥りやすい罠。そして現代の若者に足りない「ある精神」について、非常に厳しくも温かい言葉で語ってくださいました。


これから社会に出る若者、そして第二の人生を歩もうとしている元アスリートの皆さんに、ぜひ読んでいただきたい内容です。



アスリートの武器は「継続力」。しかし邪魔をするのは…

長野: 渡邉さんは経営者として多くのアスリート人材を見てこられたと思います。 率直に、アスリートが社会で活躍するために必要なこと、逆に気をつけるべきことは何だと感じていますか?


渡邉さん(以下、渡邉): まず、アスリートの優れている部分から話そうか。


彼らは狭き門を突破してきている。だからこそ、「努力を継続できる」「欲求をコントロールできる」、そして**「芯があり、目標を達成する素質がある」**。 これは間違いなく大きな武器だね。


ただ、その素質を活かせるかどうかは、「プライド」の持ち方で二極化してしまうんだ。


長野: プライド、ですか。


渡邉: そう。悪いプライドを持ってしまうと、「俺は元アスリートだ、一般人とは別格なんだ」という意識が邪魔をして、セカンドキャリアでつまずく。


一方で、いいプライドというのは、「自分はできる」という自信を持ちつつも、**「今は新人(丁稚)なんだから一からやる。でも他人には負けないぞ」**というエネルギーに変えられること。


この変換ができるかどうかが勝負の分かれ目だね。




社会人としての「丁稚(でっち)精神」を持て

渡邉: 長野くん、「丁稚(でっち)」って言葉、知ってる?


長野: 昔の言葉ですよね。「丁稚奉公」とか聞いたことはあります。


渡邉: そう。昔は10代前半から問屋なんかに住み込みで入って、雑用から商売の基本を学んでいった。 これを「丁稚」と言うんだけれど、元アスリートや新社会人に必要なのは、まさにこの**「丁稚精神」**なんだよ。


長野: 丁稚精神、ですか。


渡邉: 要は、**「見習いの精神」**だね。


アスリートは競技の世界では一流だったかもしれない。でも、ビジネスの世界では、法律もお金の知識も、一般常識も圧倒的に足りていないことが多い。 そこを認めずに「自分は特別だ」と天狗になっていると、変な契約を結ばされたり、騙されたりして失敗する。


だからこそ、まずは自分の立ち位置を「一(イチ)からのスタート」だと理解すること。 要らないプライドは捨てて、素直に聞く姿勢、学ぶ姿勢を持つこと。これができないと、どんなに素質があっても社会では通用しないよ。




現代の若者に足りない「義務」の感覚

長野: なるほど…。これはアスリートに限らず、今の若い世代全般にも言えることかもしれませんね。


渡邉: そうだね。ただ今の若い子たち、特にZ世代と言われる層に関しては、少し違った課題も感じるな。


メディアの影響もあると思うんだけど、どうしても「労働者の権利」ばかりが強調されがちだよね。「ハラスメントだ」「休みがどうだ」と、自分を守る権利についてはすごく敏感だ。


長野: 確かに、そういう風潮は強い気がします。


渡邉: でも、権利とセットであるはずの**「義務」**がすっ飛んでしまっている子が多い。


会社から給料をもらうということは、その何倍もの利益を会社にもたらして初めてトントンになる。それがビジネスの「義務」だよね。 そこを理解せずに、会社や環境のせいにして、「この会社は自分に合わない」「ここでは自分が伸びない」と言ってすぐに辞めてしまう。


その点、アスリートは「一つのことをやり通す」「結果が出るまで粘る」という経験をしている。この泥臭さは、今の若い子たちに欠けている部分だし、アスリートが勝てる要素でもあると思うよ。




仕事における「本当の楽しさ」を知ってほしい

長野: 耳が痛い話ですが、本質的ですね…。 最後に、これから社会に出る若者や、渡邉さんと一緒に働きたいと思う人に向けてメッセージをいただけますか?


渡邉: うーん、一言で言うなら、「本当の楽しい」を知れる社会人になりなさい、ということかな。


長野: 本当の楽しい、とは?


渡邉: カラオケに行って楽しいとか、USJに行って楽しいとか、そういう消費する楽しさじゃない。 仕事でお客さんに喜んでもらえたり、自分ができなかったことができるようになったり、何かを達成したりする楽しさ。


これはレベルの違う、プロとしてのビジネスの楽しさなんだよ。


長野: 「プロとしての楽しさ」。すごくいい言葉ですね。


渡邉: そう。キャッキャと騒ぐ楽しさではなく、苦労の先にある達成感や貢献感。それを味わえるようになると、仕事はもっと面白くなるはずだよ。



編集後記

「過去の栄光にすがるな、素直に一から学べ」


渡邉さんの言葉は、元アスリートである私自身の胸にも深く刺さりました。


アスリートが持つ「継続する力」と、社会人としての「学ぶ姿勢(丁稚精神)」。 この2つが掛け合わさった時、私たちはビジネスの世界でも最強のプレイヤーになれるはずです。


今回のインタビューを通じて、改めて「アスリートのセカンドキャリア」の可能性と、そのために必要なマインドセットを再確認できました。


渡邉さん、貴重なお話をありがとうございました。


文:長野 憲次




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