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信用と信頼だけは、AIに代替できない|株式会社ソリューションサポート 松井淑樹

9月27日
読了時間: 8分

大阪を拠点に、オフィスや店舗のインフラ機器・インフラサービスのコスト削減を手がける株式会社ソリューションサポート。これから開業する方に、必要なものをまとめて提案するスタイルを強みにしています。


率いるのは、代表取締役の松井淑樹さん。稼ぎたい一心で18歳から営業の世界に入り、50歳を機に独立しました。元プロボクサーの長野憲次が、社名に込めた思いを伺いました。



社名に「サポート」を入れた理由

《長野》:本日はよろしくお願いします。まず、御社の事業から教えていただけますか?


《松井さん》:オフィスや店舗のインフラ機器、オフィスで言うとOA機器ですね。それからネット回線や電気といったインフラサービス。事業に必要なもののコスト削減がメインです。


あわせて、開業支援もやっています。オフィスなら複合機やパソコン、お店ならネット回線やキャッシュレス、デリバリー。必要なものをまとめてご提案します。


《長野》:社名に「サポート」と入っているのが印象的でした。何か思いがあったんですか?


《松井さん》:お客様に寄り添いたい、という思いですね。僕らの業界は、営業は営業、管理は管理という分業制が多いんですよ。自分の成績にこだわるあまり、お客様への対応が後回しになることもある。


BtoBは本来、長くお付き合いできるものじゃないですか。それなのに、取ったり取られたりが日常茶飯事になっている。それが嫌だったんです。


入口から墓場までお付き合いいただく。そういう事業がしたくて、ソリューションサポートにしました。



稼ぎたい一心で、18歳から営業の世界へ

《長野》:学生時代は、どんなことに打ち込んでいらっしゃったんですか?


《松井さん》:中学までは野球ですね。左利きなので、ライトかファーストでした。高校はほかのことがしたくなって、バンドを組んでボーカルをやっていました。趣味にカラオケが入っているのは、その名残です。


《長野》:そこから営業の世界に入られたきっかけは、何だったんですか?


《松井さん》:単純に、稼ぎたかったんですよ。成功哲学が載った雑誌をよく読んでいて、学歴に関係なく腕一本で稼ぐ人に憧れたんです。それで18から営業の世界に入りました。最初は教材の営業で、電話で完結する仕事でしたね。


《長野》:そのあとは、どんな仕事に移られたんですか?


《松井さん》:設計事務所にたまっている図面をデータ化するサービスです。自分でビジネスモデルを考えて、飛び込みでお客様を開拓していきました。



拠点を立ち上げ続けるフェーズで鍛えられた

《長野》:次に移られたのが、通信系の会社だったんですか?


《松井さん》:はい、25のときですね。ちょうど会社が新しい拠点をどんどん立ち上げていくフェーズで、足腰を強くしていただきました。そのあとはグループの会社に出向して、事業をゼロから立ち上げる経験もしました。あの時期がなかったら、この歳になって独立しようとは思わないですよ。


《長野》:通信系の会社のあとは、どちらへ移られたんですか?


《松井さん》:オフィス機器の会社です。事業を立ち上げてくれと言われて、僕自身は独立前提で転職したんですけどね。結局は長く在籍して、営業を主管する役員まで務めました。


《長野》:そこから独立を決められたきっかけは、何だったんですか?


《松井さん》:年齢ですね。50になったときに、自分でやりたいという気持ちが出てきたんです。このままだと余計に辞めにくくなるなと思って、一大決心をして卒業しました。



開業のタイミングだからこそ、できることがある

《長野》:これから開業される方を中心に据えているのは、なぜですか?


《松井さん》:開業のタイミングが、いちばんお役に立てるからです。複合機のような機器は、リースで入っていることがほとんどなんです。分割払いと一緒なので、去年入れ替えたばかりという状態だと、ご提案のしようがない。だったらどこでお役に立てるか、と考えた結果です。


《長野》:引退したアスリートが飲食店を開業するケースも、あると思うんです。どう見ていらっしゃいますか?


《松井さん》:開業されるのは、すごくいいと思います。ただ、想定した売上が立たないと回収が難しくなるので、集客が大事ですよね。立地も要りますし、一度来てくださった方がまた来たいと思える商品やサービスを提供できているか。そこですね。


《長野》:開業のご相談にも、乗っていただけるんですか?


《松井さん》:僕自身は飲食店を経営していないので、そこは専門家をご紹介しています。あとは、販売代理店として活躍できる環境をお出しすることもできる。セカンドキャリアの受け皿になれるのかなと。



提案の幅が、やりがいをつくる

《長野》:今、事業のなかで力を入れていらっしゃることはありますか?


《松井さん》:人材ですね。コストを下げることも、売上を上げることも、一緒に考えられる営業を育てたいんです。コスト削減も喜んでいただけますけど、売上のお手伝いのほうが、もっと感謝されるんですよ。


《長野》:提案の幅を広げることには、育てる側の狙いもあるんですか?


《松井さん》:僕らの仕事は、単調になりやすいんです。おもしろくなくて辞めてしまうケースもある。だったら覚えることを増やしていけばいい。新しいことに挑戦できる状態をつくっておくと、やりがいって出てくるんですよ。


《長野》:採用では、どういう方に来てほしいですか?


《松井さん》:チームスポーツをやってきた方はいいですね。営業って、個人でやっているようでいて組織なんですよ。上司や部下がいて、チームのバランスを考えながら動く。


各々の役割を理解して、チームのために自発的に動けるかどうか。視野の広さも、負けず嫌いなところもいいですね。


あとは、多少の矛盾も飲み込める精神力がある方ですね。ポジティブにメリハリをつけられる方は、成果も出ています。



100年企業を目指す。潰れないことが、いちばん大事

《長野》:これからの目標を教えていただけますか?


《松井さん》:事業は、仲間を増やしながら着実に伸ばしていくつもりですね。経営でいちばん大事だと思っているのは、潰れないということなんですよ。会社は、そこで働く人の生活の礎ですから。未来へ続けていくために、100年企業をビジョンに置いています。


中期の経営計画と、自分の人生のこの先の計画も立てています。


《長野》:人生のこの先の計画では、どんなことを考えていらっしゃるんですか?


《松井さん》:60が見えてくる頃には、この事業は誰かに任せて、次はヘルスケアをやりたいと思っているんです。人生100年時代と言われますし、医療の世界も発達していく。予防医療でハブになる会社をつくりたいなと。


健康経営という言葉も広がってきましたし、BtoBでも生きてくると思います。



信用と信頼だけは、AIには代替できない

《長野》:読者には、これから経営をしたい20代後半から30代半ばの方が多いんです。アイデアがないという方へ、アドバイスをいただけますか?


《松井さん》:アイデアはなくても大丈夫ですよ。AIが出てきて、知的な作業がかなり標準化されましたよね。新しいビジネスモデルで差をつけるスタイルも多いですが、よほど突出したものでない限り、アイデアだけで勝負するのは難しいと思うんです。


そのなかで何が大切かといえば、僕は信用と信頼しかないと思うんですよ。事業は結局、人と人とのつながりなので。そこは、AIにはできない領域なんですよね。


《長野》:信頼を積み重ねるために、意識したほうがいいことはありますか?


《松井さん》:誠実であることだと思いますね。騙すような気持ちでやっている人は、一時的にうまくいっても続かないじゃないですか。お客様のためになることを提案する。結局はそれが、いちばん大事です。


《長野》:間違いないですね。本日はありがとうございました。



編集後記

インタビューの冒頭で松井さんが語ったのは、事業の説明でした。OA機器、ネット回線、電気。一見すると地味に映る領域かもしれません。けれども聞き進めるうちに、お客様と長く付き合いたいという姿勢が立ち上がってきました。


印象に残ったのは「入口から墓場まで」という表現です。取ったり取られたりが当たり前の環境を見てきたからこそ、その反対側に会社をつくった。開業のタイミングを選ぶ理由も、提案の幅を広げる人材観も、根っこは同じでした。


目指すのは100年企業。潰れないことがいちばん大事だという言葉には、会社が誰かの生活を支えているという実感が宿ります。AIが多くを肩代わりする時代に、それでも残るのは信用と信頼。長く現場に立ち続けてきた人の結論です。



アスリートの目で読む

元アスリートの視点から、この記事の読みどころをスポーツにたとえて解説します。


■継投でつなぐのではなく、先発が試合をつくり切る


松井さんの業界では、営業・管理・サポートを分ける分業制が主流だといいます。松井さんが選んだのは、入口から墓場まで一人が長く担当する形でした。投手を細かく継いでいく戦い方と、先発が試合をつくり切る戦い方。どちらが優れているという話ではなく、何を大事にするかで組み立てが変わるのだと思います。


(戦う経営者図鑑 編集部)



プロフィール

松井 淑樹(まつい よしき) 株式会社ソリューションサポート 代表取締役。大阪生まれ、大阪育ち。18歳から営業の世界に入り、教材の電話営業や図面のデータ化サービスの立ち上げを経験。その後は通信系の会社で新規拠点の立ち上げを重ね、オフィス機器の会社では営業を主管する役員を務めた。50歳を機に独立。オフィス・店舗向けのコスト削減と開業支援のワンストップ提案を手がける。趣味はゴルフ、サウナ、カラオケ。


長野 憲次(ながの けんじ) 株式会社アスリート式 代表取締役。元プロボクサー。20歳でデビューし24歳で引退。自身のセカンドキャリアでの葛藤を原体験に、アスリートのキャリア支援事業を展開する株式会社アスリート式を設立。「戦う経営者図鑑」公式インタビュアー。


▶ 株式会社ソリューションサポート 公式サイト https://www.solution-support.jp/

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