【資金繰り・V字回復】4900万の負債と裏切りからNASDAQ上場を目指す経営戦略|戦う経営者図鑑
- 7月31日
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更新日:5 時間前

株式会社Fit Founder代表、八賀晋太朗氏。現在、約70名の従業員を牽引し、自らもフィジークの大会に出場するなど自己鍛錬を欠かさない若き経営者だ。
しかし、その謙虚で力強い姿の裏には、信じていた友人の裏切りや、数千万円単位の理不尽な未入金トラブルを自ら背負い込んだ過去がある。幾度もの詐欺に巻き込まれながらも、決して逃げずに現場を這いずり回ってきた彼の、飾らないリアルな生存戦略に迫る。
インタビュアー:元フィールドホッケー選手 中村航司
自己鍛錬と、70名を束ねる謙虚な姿勢
【中村】 八賀さん、本日はよろしくお願いいたします。また一段と日焼けされた印象ですが、最近もトレーニングを重ねていらっしゃるのですね。
【八賀さん】 よろしくお願いします。最近は外を走っているからかもしれません。フィジークの大会にも去年、一昨年と出場しています。
【中村】 ご自身の身体作りを徹底しながら、ビジネスでも約70名もの従業員を牽引されているのは本当に素晴らしいです。私自身もアスリートとして世界を舞台に戦い、引退後はビジネスの世界で挑戦を続けています。経営者として日々戦い続ける八賀さんの精力的なお姿には非常に刺激を受けます。
【八賀さん】 いえいえ、全くそんなことはありません。バックヤードの課題も多く、誇れるような実績なんて何一つないですよ。謙虚に聞こえるかもしれませんが、本当にまだまだだと思っています。
4900万円の肩代わりと、感謝される喜び
【中村】 その謙虚さの裏には、これまでに経験された数々の苦難があるのだと思います。事業を確立されるまでに、どのような強烈な原体験があったのでしょうか。
【八賀さん】 私の人生観が一番変わったのは、2018年のことです。当時、仮想通貨が流行していて、友人の誘いで投資を決めました。『何かあったら俺が保証する』という友人の言葉を信じて、他の知人4人を紹介し、彼らと合わせて当時のレートで約4900万円分を投資したんです。しかし、結果的に詐欺に遭い、その友人は飛んでしまいました。
【中村】 ご自身も被害者であるにもかかわらず、そこからどう行動されたのですか。
【八賀さん】 法律上は自己責任でしたが、紹介した知人の一人には生まれたばかりの子どもがいました。『その子の人生を考えたら、これは自分が保証するしかない』と思い、全額返済することを決意したんです。当時の月収は350万円から400万円ほどありましたが、自分の生活費を30万円に切り詰め、残りの全額を返済に充てる生活を2年間続けました。
【中村】 2年間も自分のためではないお金を稼ぎ続けるのは、想像を絶するプレッシャーですよね。
【八賀さん】 訪問販売の営業をしていましたが、本当に辛かったですね。『なんで俺の責任じゃないのに、借金返済のために営業しているんだ』と何度も頭をよぎり、仕事に身が入らないこともありました。
しかし、完済した時に知人から『ありがとう』と言われたんです。その言葉の魔力が本当にすごくて、自分のためではなく人のために生きるという軸が固まりました。『ありがとう』と言われるために頑張ろうと、経営の方向性が決まった瞬間でしたね。
5900万円の未入金と、地べたの営業
【中村】 その強烈な経験がベースにあるのですね。その後、事業を立ち上げられてからも苦労は続いたのでしょうか。
【八賀さん】 はい。リフォーム事業をやっていた25、6歳の頃、キャバクラなどの内装工事を二次請けで受注しました。しかし、半年かけて複数の現場を仕上げた後、約5900万円の工事代金が振り込まれなかったんです。入金予定日の翌日に、元請け会社から自己破産の通知が届きました。
【中村】 5900万円ですか。それは一体どういう状況だったのですか。
【八賀さん】 後から分かったことですが、キャバクラで金を使っている人間の借金を回収するために、私たちのような若い業者が巧妙なファクタリングのスキームに巻き込まれていたんです。
下請け業者への支払いも滞り、12月に事務所で発泡酒とお菓子だけで忘年会をしていた時、下請けの職人さんが『金はどうなったんだ』とドアをガンガン叩いて怒鳴り込んできたこともありました。従業員が怯える中、私が外に出て話をつけるしかありませんでしたね。
【中村】 若くしてそれほどの修羅場を経験されているとは。どうやってその状況を乗り越えたのですか。
【八賀さん】 私はかっこいいことはできないので、『もう数売る』という地べたの営業を徹底するしかありませんでした。でも、周りの人には恵まれていましたね。借金を抱えている時、お金が全くない私に、元請けの社長が『仕事頑張るんで買ってください』という私の頼みを聞いてくれて、営業用の軽自動車を買ってくれたこともありました。今の妻とも、一番苦しい借金生活の時に出会って支えてもらいました。
NASDAQ上場と『道』を歩み続ける覚悟
【中村】 泥臭い経験と、周囲への感謝の積み重ねが今の八賀さんの強さなのですね。現在も様々なトラブルと戦っていると伺いましたが、今後どのような未来を目指しているのでしょうか。
【八賀さん】 目指しているのはNASDAQでの上場です。営業と金融、そしてインフラを掛け合わせた事業を展開したいと考えています。ファンドを作り、私たちが得意とする泥臭い営業力と開発力を活かして、GX(グリーントランスフォーメーション)を進めていきたい。現在、インドに会社を持ち、中国とも取引があります。日本の技術を使ったインフラを世界へ届けていくのが目標です。
【中村】 壮大なビジョンですね。最後に、プレッシャーの中で戦うビジネスパーソンへメッセージをお願いします。
【八賀さん】 大事なのは『道』を外れないことだと思います。漫画のバガボンドで、宮本武蔵が刀二本で日本最強を目指したように、挑戦し続けることには必ず辛いことが伴います。そこから逃げて道を外れてしまうと、言い訳ばかりの人生になってしまう。
自分が家族や周りからどう見られたいかを考えれば、どれだけ道が険しくても進み続けるしかありません。 私は血抜きで仕事をしてきました。当たり前のことを誰よりもやり切る覚悟があれば、必ず道は開けると思っています。
【編集後記】
数千万単位の理不尽な負債や裏切り。普通の人間なら逃げ出してしまうような状況でも、八賀氏は決して他責にせず、自らの力で這い上がってきた。
彼から語られる『血抜きで仕事をする』という言葉には、一切の淀みがない。それほどの修羅場を潜り抜けてきたからこそ、彼の語る『ありがとうと言われるために生きる』という哲学は、圧倒的な説得力を持っている。
サイバーエージェントの藤田晋氏を尊敬し、『心配事を先回りして動く』という教えを胸に刻んでいる姿勢からも、経験から学びディフェンスを固めるしたたかさが伺えた。
挑戦には必ず困難が伴う。しかし、自ら決めた道を信じ、言い訳をせずに真っ直ぐに進み続ける彼の飾らない強さは、今を戦うすべての経営者にとって、これ以上ない希望の光となるはずだ。
【プロフィール】
ゲスト
八賀 晋太朗(はちが しんたろう) 株式会社Fit Founder 代表。訪問販売の営業を経て独立後、幾度もの詐欺や理不尽な負債を乗り越える。現在は約70名の組織を牽引し、営業力・金融・インフラを掛け合わせた事業でNASDAQ上場を目指す。自身もフィジーク大会に出場するなど自己鍛錬を欠かさない。
インタビュアー中村 航司(なかむら こうじ)一般社団法人日本スポーツコミュニティ協会(縁TRANCE) 代表理事。元フィールドホッケー選手(ドイツ・ブンデスリーガ所属/元U18日本代表)。引退後は、スポーツで培った「挑戦するマインド」をビジネスに活かすべく活動中。「戦う経営者図鑑」公式インタビュアー。



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