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伝統ブランドマロニーちゃんを主食へ 井上寿夫氏が語る変革と 人間味あふれる経営論

  • 1 日前
  • 読了時間: 8分

更新日:3 時間前



食卓でおなじみの国民的ブランド、マロニーちゃん。

2024年4月、新たにマロニー株式会社の代表取締役社長に就任した井上寿夫氏は、ハウス食品株式会社での経験を武器に、伝統あるブランドの次なるステージを描いています。


今回は元プロボクサーの長野憲次が、井上社長の気さくなお人柄や、働く人のプライドを守るという熱い経営哲学、そしてマロニーが仕掛ける新たな挑戦について、じっくりとお話を伺いました。


長野:本日はお時間をいただき、本当にありがとうございます。僕、子どもの頃からマロニーちゃんが大好きなんです。今日こうしてお話しできて感激しています。


井上さん:ありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいですね。



働く人のプライドを守る 現場を大切にする経営哲学

長野:今回のインタビューでは、単なる企業紹介ではなく、経営者の方がどんな思いで壁を乗り越えてきたのかをお聞きしたいと思っています。まず、井上さんが経営において一番大切にされていることは何でしょうか。


井上さん:一般的な数字や業績の部分はもちろんありますが、私が最も大切にしたいのは、働く人のプライドを守ることです。マロニーという会社で働いていることに対して、社員全員が誇りに思えるような組織風土を作っていきたいと考えています。


長野:働く人が誇りを持てる会社、本当に素晴らしいですね。


井上さん:弊社は製造業でありますから、全国にある4つの工場の労働環境も含めて、もっと良くしていかなければいけないと思っています。従業員が自社を愛し、ここで働くことに誇りを感じられる環境づくりをこれからも追求していきたいですね。


長野:2024年4月に社長に就任された際、率直にどのようなお気持ちでしたか。ハウス食品一筋で歩まれてきて、経営全般を担うことへの不安などはありましたか。


井上さん:財務をはじめ経営全般についての知識が十分に明るいわけではなかったので、不安が全くなかったと言えば嘘になります。しかし、不安以上にマロニーちゃんが持つ可能性に対するワクワク感のほうが勝っていましたね。


お鍋の具材だけに留まらない大きな可能性があると感じていたので、これから何をしていこうかという期待の方が大きかったです。


長野:素晴らしいですね。それでもやはり悩む時もあったと思うのですが、そういう時はどう乗り越えていらっしゃったのですか?


井上さん:悩んで解決する課題であればとことん悩み抜きます。ただ、経営者としてある程度決断を下した後は絶対に引きずらないように意識しています。やるべき方向を決めた以上は、前を向いて全力で良い方向に持っていくしかありませんからね。



若い頃の失敗から学んだ 相手を傷つけない対話の力

長野:社員の方々との接し方で意識されていることはありますか。


井上さん:実は私、若い頃はかなり短気だったんですよ。上の立場の人に対しても、納得がいかなければ平気で生意気な意見を言っていました。


長野:今の穏やかなお人柄からは想像がつかないです。


井上さん:年齢と経験を重ねる中で、上の者が感情的になって相手のプライドを傷つけてしまっては、どれだけ正しいことを言っても絶対に同意を得られないと気づいたんです。

だからこそ、感情的な態度を出さないよう心掛けるようになりました。


長野:そのようなご経験が、今の本当に穏やかな井上さんを作っているのですね。

ちなみに、社内外でのコミュニケーションで、他に意識されているスタイルなどはあるのでしょうか。


井上さん:私は誰にでも自分から話しかけるタイプなんです。立ち飲み屋で初めて会った人と意気投合して友達になることもよくあります。


ハウス食品の役員時代に、もっと重役としての立場を意識するようアドバイスされたこともあったのですが、急に人は変われませんから、変わらずフレンドリーに対話を重ねるスタイルを貫いてきました。


長野:立ち飲み屋で知り合って親友になるなんて素晴らしいですね。

今の若者の多くは会社の雰囲気や社長の人柄を見て働く場所を選ぶ傾向が強くなっていますから、井上社長のその飾らないオープンなスタイルはすごく若者に刺さると思いますし、私がもし求職者だったら一緒に働きたいって個人的に感じると思います。



お鍋の具材から主食へ およげ ! たいやきくんのような挑戦

長野:井上社長が仰られていた、マロニーちゃんをお鍋の具材から主食や麺へという新しいコンセプト、僕も拝見してすごく感銘を受けました。具体的な食べ方の提案などについて教えていただけますか。


井上さん:ありがとうございます。最近流行している麻辣湯やチャプチェ、焼きそばなどにマロニーちゃんを使っていただく提案をしています。


また、耐熱ボウルに材料とマロニーちゃんを入れてレンジで加熱するだけのワンボウルレシピなどもSNSで発信していまして、手軽で美味しいと非常にご好評をいただいています。


長野:実は僕も現役ボクサー時代の減量期に、マロニーちゃんをよく食べていたんです。茹で上がりのカロリーがパスタの約半分くらいですよね。


井上さん:おっしゃる通りです。乾燥時ではなく茹で上がり100グラムで比較すると、パスタの半分ほどのカロリーなんです。こんにゃく麺などもカロリーはパスタより低いですが、満足感や食べ応えという点では物足りなさを感じることもありますよね。


マロニーちゃんはじゃがいもでんぷんが主原料なので、味がしっかり染み込み、食べ応えもありながらカロリーを抑えられるのが強みです。※茹でたマロニーちゃんは100グラム当たり約70~88kcal、茹でたパスタは100グラム当たり165kcal


長野:まさに僕の減量体験そのものです。味が染みて満足感があるのに罪悪感がない。


井上さん:そうなんですよ。ただ、課題もあります。

気象変化でこれだけ暑い時期が長くなると、どうしてもお鍋の需要は下がってしまいます。暑いシーズンにどうやってマロニーちゃんを楽しんでいただくかが大きな課題です。


ですから、麺や主食としての新しい可能性を具現化し、企業の永続的な成長につなげていきたいと考えています。


長野:伝統の味を守りながら、新しいステージへと挑戦されているわけですね。


井上さん:イメージとしては、およげ ! たいやきくんのようなストーリーを描いているんです。ずっとお鍋の中にいたマロニーちゃんが、お鍋から飛び出して色々な料理やシーンで活躍する。


そして巡り巡って、やっぱりお鍋も美味しいよねとお鍋に戻ってくる。そんなブランドストーリーを展開していきたいですね。


長野:めちゃくちゃいいですね!そのストーリー。若い世代へもどんどん広がると思います。



マロニーちゃんの新たな展開と若者へのメッセージ

長野:マロニーちゃんのキャラクターを活用したビジネスにも取り組まれているそうですね。


井上さん:はい。ハウス食品グループ内でもマロニーちゃんの認知度は非常に高いので、ライセンサーとしてライセンシーの募集など、本格的に展開を模索しています。


先日、Xでマロニーちゃんが履歴書を書いて転職活動をするという投稿をしたところ、大きな反響をいただいたんです。今年で発売62年目なので、年齢を62歳と設定して投稿したら大きな話題になりまして。


長野:マロニーちゃんが62歳という設定、めちゃくちゃ面白いですね。


井上さん:キャラクターとしてのポテンシャルを再確認しましたね。これからたくさんの若い世代の方に知ってもらえるように、色んな企画に挑戦したいと考えています。


長野:素晴らしいです。これから楽しみですね!僕もマロニーちゃんのファンとして展開を楽しみにしてます!


最後に、これから社会で挑戦しようとしている若い世代や、セカンドキャリアを模索するアスリートたちに向けてメッセージをお願いできますか。


井上さん:私自身、60歳になった今だからこそ痛感するのですが、若さや時間というものは何物にも代えがたい圧倒的な財産です。若い頃は結果や周囲の目が気になるかもしれませんが、とにかく恐れずにトライしてみてほしいですね。


若いうちは失敗したとしても、いくらでもやり直せる時間があります。失敗を恐れず積極果敢にチャレンジしてほしいと思います。


長野:若い世代やアスリートにとって、本当に勇気が出るお言葉です。もしマロニー様で働きたいという熱い想いを持った元アスリートや若者が現れたら、ぜひご相談させてください。


井上さん:採用のタイミングや職種の募集要件によりますが、ぜひお声がけいただければと思います。


長野:ありがとうございます。本日は井上社長の経営哲学と挑戦の志に触れることができ、大きなパワーをいただきました。今後ともよろしくお願いいたします。


井上さん:こちらこそ、本日はとても楽しい時間をありがとうございました。



編集後記

今回の取材を通して最も心に残ったのは、井上社長の圧倒的な親しみやすさと、その奥にある働く人への深いリスペクトでした。国民的ブランドのトップという重責を担いながらも、権威に頼らず、立ち飲み屋で培ったような飾らない対話力で周囲と向き合い、現場のプライドを守り抜く姿勢には、経営者として学ぶべき本質が詰まっていました。


お鍋の具材から主食へという大胆な挑戦、そしてマロニーちゃんが鍋から飛び出すストーリーなど、伝統を守りながら未来へ挑む井上社長の情熱は、悩める若い世代やセカンドキャリアを歩むアスリートたちの背中を優しく、そして力強く押してくれるはずです。



プロフィール

井上寿夫 マロニー株式会社 代表取締役社長。大学卒業後、ハウス食品株式会社に入社し、営業を中心にキャリアを積む。グループ要職を経て、2024年4月にマロニー株式会社代表取締役社長に就任。働く人のプライドを守る組織づくりと、マロニーちゃんの主食化やキャラクタービジネス等の新規展開に尽力している。


長野憲次 株式会社アスリート式 代表取締役。元プロボクサー。20歳でデビューし24歳で引退。自身のセカンドキャリアでの葛藤を原体験に、アスリートのキャリア支援事業を展開する株式会社アスリート式を設立。行政や地域企業と連携し、経営者とアスリートを繋ぐアワードやメディア運営を行っている。


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