300人を束ねた元総長。業界の常識を覆し国家資格化を狙う男の生存戦略
- 6月26日
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約300人を束ねる暴走族の総長を経て、少年院を経験。用意された裏社会への道を自ら蹴り、実業の世界へ飛び込んだ男がいる。株式会社グッドライフ代表、水山晶斗氏。
画面上からも強いオーラを放つ水山氏だが、その内面には職人としての実直さと、業界全体を底上げしたいという圧倒的に高い視座が宿っている。壮絶な原体験をいかにしてビジネスへの覚悟へと昇華させたのか。常識を覆し続ける彼の飾らない生存戦略に迫る。
ろうそくの灯りと『社長』と呼ばれた番長時代

【中村】: 本日はお忙しい中ありがとうございます。長年、第一線で株式会社グッドライフを牽引されている水山さんの圧倒的な行動力や、業界で革新を起こし続ける姿勢の根本にある原体験をぜひ伺いたいです。
【水山さん】: 私は家庭環境が少し複雑で、中学生の時に家族が離散して一人暮らしをしていました。電気もガスも水道も止まっていて、ろうそくで生活していたんです。環境が悪かったとマイナスに捉える人もいるかもしれませんが、私にとっては全部プラスかなと思っています。周りの人の優しさもすごく分かりましたし。
【中村】: ライフラインも止まっている一人暮らしは、心細くなかったですか。
【水山さん】: 毎日漫画みたいでしたよ。地元のコンビニを自分の冷蔵庫だと思い込んで、勝手に弁当をチンして店内で食べたりしていました。
ただ、結局その一人暮らしの家も、ろうそくの火が引火して火事になり、単車が大爆発して燃えちゃうんです。住む場所もなくなりましたが、学校の先生やみんなが署名してくれて、転校せずに済みました。
【中村】: ご自身の魅力で周囲を巻き込み、助けられてきたのですね。当時のご友人とはどのような関係だったのでしょうか。
【水山さん】: 当時は番長だったんですが、弱い者いじめやカツアゲのようなしょうもないことは本気で無くしたいと思っていて、全面的に禁止していました。
急に威張りだして自分より弱い者をいじめるようになった高校デビューの先輩の学ランを奪って売り、そのお金でみんなでご飯を食べていました。そうした正義感があったからか、中学時代の最初のあだ名は『社長』だったんです。
300人の頂点と少年院。用意された極道への道を蹴った日

【中村】: まさに『社長』としての器の片鱗がそこにあったのですね。弱きを助け、強きを挫くそのスタンスは、当時から一貫していたのでしょうか。
【水山さん】: ええ。その後、中学校を卒業して、暴走族になるじゃないですか。
【中村】: 「暴走族になるじゃないですか」とさらりとおっしゃいますね笑。どのような規模だったのですか。
【水山さん】: 西湘エリアで大体10数チームの連合があるんですよね。私があの中学の時からすごい受け入れていた先輩が、連合の頭になっていたんです。めちゃめちゃ喧嘩も強くて、かっこよくて、男気もあって。人としても尊敬できる人だった。
その人が14代目で、僕が17代目になれたんですね。大体300人ぐらいになっていました。
【中村】: 300人の連合のトップですか。そこからビジネスの世界へ舵を切るには、相当な葛藤や転換点があったのではないでしょうか。
【水山さん】: それでいろいろ事件があって、少年院に入ったことがありました。出てきたらもう、あちらの世界の方たちがお祝いを開いてくれて、なぜか勝手に組の名刺が自分の名前でもう作られてたんですよ。
でも、やりたくなかったんで断りました。
【中村】: 用意された道を、自らの意志で断ち切ったのですね。
【水山さん】: 不良の先輩たちにも『弱いものいじめするな』と言っていましたし。やっぱり自分にはちゃんと真面目にお金を稼ぎたいという思いがありました。
感動が変えた人生と、社名に込めた経営者としての覚悟
【中村】: その真っ直ぐな思いからビジネスの世界に入り、フロアコーティング事業に出会われます。現在、この事業に対してどのような覚悟で向き合われているのでしょうか。
【水山さん】: 『もう他を断ち切ってます。これしかないと』やっぱり腹決めてやらないとですね。
「グッドライフ」という社名には、従業員やお客様など、私に関わる全ての人に「良い人生・良い生活」を送ってほしいという思いが込められています。
まずは従業員を幸せにする。そして、幸せに働く従業員が今度はお客様を幸せにする。その良い循環を生み出した上で、自分を作ってくれたこの業界に恩返しをしたいという思いがあるんです。
【中村】: 素敵な信念ですね。その思いは、日々の商品開発や顧客との向き合い方にどう反映されているのでしょうか。
【水山さん】: 私たちの会社は、新しいフロアコーティング剤だけで8種類、9種類あるんです。新しい商品を出した時に、試行錯誤してテストをして商品化するまでが本当に大変で。
『やっぱお客様の家でね、金もらってテストするなんてそんな失礼な真似できないんで』。まず販売するまでには、テストですごく苦労しています。
【中村】: お客様からお金をいただく以上、中途半端なものは提供しないという徹底したプロ意識ですね。
【水山さん】: 自分で開発した液剤で、お客様が感動し、感謝してくれたことに、私自身が感動してしまったんです。『こんな俺でも人のためになれるんだ』と思って、のめり込みましたから。
圧倒的な結果で示し、業界全体を国家資格へと底上げする
【中村】: お客様に価値を提供する喜びに目覚めた。その純粋な感動が、今の水山さんの高い視座に繋がっているのですね。これから業界全体をどう変えていきたいとお考えですか?
【水山さん】: 私はフロアコーティングというものをメジャーにしたいんです。一般社団法人と協会を作って、ちゃんとした液剤や施工の知識を教育し、フロアコーティングを『国家資格』にしたいんですよ。
住宅用の窓ガラスのフィルムなどは国家資格なのに、より知識や技術力が奥深いフロアコーティングがそうでないのはもったいないですから。
【中村】: 国家資格化という大きな挑戦ですね。しかし、業界の常識を変えるとなると、同業他社からの反発もあるのではないでしょうか。
【水山さん】: いまだに利益優先で、適正な価格や商品レベルじゃない『安かろう悪かろう』なものを安売りする業者さんもいます。それがクレームに繋がり、フロアコーティング自体のイメージが悪くなってしまうことを危惧しているんです。
だからこそ、ちゃんとした制度を作って業界を底上げすれば、あなたたちももっと儲かるんだよという思いがあるので、別に争うつもりは全くないんです。
【中村】: 対立するのではなく、業界全体を良くしたいと。では、どのように同業他社を巻き込んでいくのでしょうか。
【水山さん】: 同業他社を1つにまとめるには、1位と2位の間に『圧倒的な差』をつけなきゃいけないと思うんです。だから、まずグッドライフが先駆者として『結果で分かってもらう』のが大事なのかなと。
口で言っていても感じられるだけなんで、圧倒的な差をつけて『変な勘ぐりしなくていいよ、一緒に盛り上げようよ』と背中で見せたいですね。
【中村】: 言葉ではなく圧倒的な結果で業界を牽引する、まさにトップの背中ですね。最後に、これから挑戦する方々へメッセージをお願いします。
【水山さん】: 私は『失敗』という言葉が嫌いです。世の中で失敗と呼ばれるものは、『この方法ではうまくいかないと気づいた』というだけの発見です。
腹を決めて全力でやってみて、ダメなら違う方法があることに気づけたということ。テレビに出ている有名な占い師の方にも『死ぬまで8歳だよ』と言われましたが、正しいかどうかよりも『楽しいかどうか』を基準に、ワクワクしながら挑戦し続けてほしいですね。
編集後記
約300人を束ねた暴走族総長という壮絶な過去を持ちながら、水山氏の言葉に一切の気負いはない。むしろ、弱きを助けるという自らの美学に従い、あっさりと裏社会への道を蹴ったその決断にこそ、彼の本質が凝縮されている。
そんな彼がビジネスの世界で見つけたのは、『お客様の家でお金をもらってテストするような失礼な真似はできない』という職人のような実直さと、人を喜ばせる純粋な感動だった。同業他社と争うのではなく、自らが圧倒的な結果を出し、業界全体を底上げして国家資格化を目指すというスケールの大きさ。
そこには、かつて弱きを助け、筋を通してきた彼ならではの高い視座とリーダーシップが息づいている。 プレッシャーの中で前へ進もうと葛藤する戦う経営者たちへ。過去がどうであれ、自らの仕事に誰よりも真摯に向き合い、正しい信念と圧倒的な熱量で道を切り拓く彼の姿は、本物のリーダーとは何かを私たちに力強く問いかけている。
プロフィール
【水山 晶斗(みずやま まさと)】 株式会社グッドライフ 代表取締役。約300人を擁する暴走族の総長を経て、フロアコーティング業界に30年携わる。自社で8〜9種類に及ぶ独自の液剤を開発し、妥協を許さない商品開発で業界を牽引。総合格闘家の堀口恭司選手を10年近く支援し、現在はAKB48の海外姉妹グループである「KLP48」のメインスポンサーも務める。マレーシアへの事業展開や、フロアコーティング業界の国家資格化に向けて尽力している。
【中村 航司(なかむら こうじ)】 一般社団法人日本スポーツコミュニティ協会(縁TRANCE) 代表理事。元フィールドホッケー選手(ドイツ・ブンデスリーガ所属/元U18日本代表)。引退後は、スポーツで培った「挑戦するマインド」をビジネスに活かすべく活動中。「戦う経営者図鑑」公式インタビュアー。



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